『自分はあなたの騎士にはなれません』
確かに手渡したはずの騎士証が己の手の中にある理不尽。
突き返された『Kururugi Suzaku』の名前にむなしくため息が落ちた。
「相応しくない」ではなく「なれない」
彼はそう言った。
戦いを止められると言ったあの時と同じ強い瞳でユーフェミアを拒絶した。
強い瞳。
あの時と同じ。なのに明確に違う、誓いの意志を宿した深緑だった。きれいな色。
「あなたの中には、既に守るべき主君がいるのですね」
彼自身が自覚しているかどうかは別にして。
異母兄が自分に向けた憎悪の一端を、今更ながらに理解した。
融通の利かない子ら
「どうして君がゼロなんだッ!」
(何度も彼を殺そうとしておきながら、よく回る口ね)
(正義ぶって被害者面しないでよ)
解読不能
(07.2.18)