「何を苛々されてるのです?」
「してないわ」
「そうですか?」
「そうよっ!」


「猫ですか」
「なんで断定形なのよ」
「違いましたか?」
「‥‥」


「―――昔は」


『猫、あなたはいつもつまらなさそうね。口元引き結んでばっかり』
『他人にとやかく言われたく無いね』
『‥‥可愛げのないこと』


「‥‥あんなふうに笑ったりしなかった」
「“わたくしの猫”は、ですか?」
「‥性格が悪いわよ、ビル」
「失礼」


愛らしい笑顔の可愛いアリス。
その隣で口元を吊り上げ笑う猫。
笑顔が、ふたつ。


「‥‥やっぱり、猫は可愛く無いわ」


しかめっ面の女王の隣で、黄色い目をした蜥蜴が笑っていた。






スマイリィ・フォ・ユゥ



猫アリとビル女。
小さい頃の女王は猫ラヴだと萌えます。


2007.5.18  わたぐも